がんと愛犬と私

がんサバイバーという生き方

父を看取る 坂道を転げ落ちるように③

 

2月21日

ベッドの端に5分と腰かけていられない父。

この状態では普通車いすでCTの待ち時間に耐えられないと思った私は

予約した提携病院に電話をかけ、

背もたれが倒せる(リクライニング)車いす

もしくはベッドを借りることはできるかと確認した。

結果、リクライニング車いす→なし

   ベッドは空いていれば可

という返事だった。

介護タクシーを頼めば乗車中はリクライニング車いすを借りられるけれど、

受診の間はレンタルできない。

週末の様子をみて最悪キャンセルしようと考えた。

 

父自身は相変わらずほとんど食べられないけれど

トイレは自分で歩いて行ける。

ふらつくため気づいたらベッドに戻るまで見守るようにしていた。

「最新と書いてある地図があっただろう。」

「今日の新聞はきたか?」

とこの日は午前も午後もベッドを起こして1時間ほど過ごせた。

「のどがすごく乾く。」

とお茶を良く飲む。

家にあったパウチゼリーが無くなったので、

父の大好きな桃のジュースを買ってきてゼリーを作った。

母が買い溜めていたゼラチンが役に立った。

 

2月22日

この日、とうとう

「何もいらん。」

「何でそんな何回も(食べるかと)聞くんだ。」

という言葉が出た。

朝、リンゴ1/16個とバナナ1/4本のみ。

お茶は飲めている。

少し苦しそうな表情が見られる。

トイレは自分で行ったり声掛けで行ったり。

 

2月23日

眠っている時間が多くなってきたが、トイレはまだ行けている。

布団の表裏がひっくり返っていたり、

ベッドに対し体が斜めになっていたりすることも増えた。

記録を見返して気付いたが、

おそらくこの数日で苦痛を強く感じるようになったのだろう。

1日に桃ゼリー数口とバナナ1/4本程度摂取。

「心配せんでもええですよ。」

と言う。

 

2月24日

朝、ベッド下に寝巻のズボンが落ちていた。

覚えが無いと言う。

濡れてはいない。

更衣のついでに足を清拭。

「少し腹が減ったような気がする。」と

桃ゼリーとバナナ1/4本食べる。

この日、姪の下宿先を探しに兄と姪は不在。

「兄ちゃんはどっかに行ったのか?」

と聞かれる。

夜、おかゆ1口とバナナ1/4本、桃ゼリー1切れ。

 

2月25日

CT予約の日。

朝一番にかかりつけ医に電話し、

週末からほとんど食べ物を食べられなくなったと報告。

またCTの待ち時間を起きて過ごせる体力はもう残っていないと思うとも伝えた。

CTは確定診断のためでもあったため、

疑いで診断名を付けることも考慮してくれるとの返事だった。

28日に再度往診に来てもらえることになったが、

この電話で初めて腫瘍マーカーCA19-9の値が

万単位であることをかかりつけ医から聞かされた。

おそらくすい臓がんだろうとのことだった。

 

 

 

 

 

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