がんと愛犬と私

がんサバイバーという生き方

確定診断がつくまで

がん=もう長く生きられない

看護師だったが、がんの方にお会いすることはほとんどなく、漠然と上記のようなイメージを持っていた。

そんな私ががんになった。

 

がん疑いと言われてから、診断がつくまでには時間がかかる。

私の場合、最初にがんかもと言われてから、MRIの予約は9日後、結果を聞くための診察予約はそのさらに9日後。

MRIの結果を聞いたその日に追加でCT撮影をし、その結果を聞く診察予約は13日後だった。

もちろん医師も「急ぎです。どこが一番早く予約取れます?」と検査室に交渉してくれていたので、これでも早い方だったのかもしれない。

 

私はがん疑いになる1か月ぐらい前から、今まであまり感じたことがない下腹部痛を感じていた。

この痛みがすでにがんによる痛みだったのだ。

痛みは日に日に強くなっていた。

症状が出ている時点で、時間的猶予はなかったのだと思う。

できるだけ早く検査が受けられるようにしてくれていたが、それでも検査まで、あるいは結果を聞くまでの日々は本当にもどかしかった。

 

(がんだったらどうしよう・・・。)

(もうこの先長くないのかもしれない・・・。)

 

不安を少しでも拭いたくて、ネットで情報を集め、関連する本を読んだ。

しかし、ネットに書いてある情報はやはり最悪なケースについて書かれていることが多く、余計に不安になった。

 

(でももしかしたらがんじゃないかもしれない!)

と急に前向きになったりもした。

 

ちょうどこの頃、離婚調停も始まっており、不安定になっているところに追い打ちをかけられたかのようだった。

それでも

 

(しっかりしなきゃ!)

(診断つくまではわからない!)

 

と自分を鼓舞していた。

 

本当はめちゃくちゃ不安なのに、それに蓋をして目を向けないようにしていた。

直視したら立っていられなくなりそうだった。

 

そんな地に足がついていないような、ふわふわした精神状態のまま1か月近くが経過し、CTの結果、卵巣がんの確定診断がついた。

医師の説明は以下のようなものだった。

・右が5.4cm、左が4.2cm

・卵巣以外に腫瘍などの病変は認められない

 つまり卵巣が原発

・痛みが出ているのでできるだけ早く治療を開始した方がいい

 

診察後、家までの帰り道、運転しながら泣いた。

それまで抑えていたものが溢れてしまった。

もう不安と恐怖と怒りと後悔と、いろんなものが入り交ざったなんとも言えない感情だった。